会社設立にあたり


  2014年7月、かつてソニー㈱で同じ釜の飯を食べた数人の技術者が停年退職したのを機に、それまで蓄積したキャリアを活かすべく同好会サークル形式の集いの場を作りまして、数年前から手がけていたたまごスピーカをベースとして、良い音を求めたオーディオ再生の研究をすすめてきました。

 

 それから1年の間に、スピーカを吊ってみたり、中を覗いてみたり、いろいろと試行錯誤を繰り返しました。それを集約しますと、取り上げたたまごスピーカは大変良い素性を内包しており、良い音の追及にはこれを出発点として進めるのがベストの解であろうとの共通認識を持ちました。スピーカ本体の絶えざる研究に加え、ソフト制作システムからその記録伝送、家庭における音響再生システムにいたるオーディオ再生方式のえられる音像と定位の適切な設定、スピーカで作られる放射音場における音像と響きのバランス、再生音を聴くひとの聴覚や聴覚領に至る認識システムなどをオーディオのトータルシステムとしてすすめれば、よい音を求める最終ゴールに近づけるものと確信しております。

 

 もうひとつ。私たちが最終的に取り扱う楽音波をスピーカに加えると、振動板の振幅は0~2f0(f0はスピーカの低音共振周波数)の周波数範囲を最大振幅数mmの振れ幅で早く遅く、大きく小さく動く。その挙動は低音のゆらぎに対応しています。そのゆらぎの一応用例としてワインやお酒に揺らぎ音楽波を加えて口当たりの良いまろやかな感触を持つ実体験をし、楽音を友として遊ぶとっかかりがつかめました。これは単に酒類だけでなく広く動植物に仲間を広げたり、可聴範囲外の聴こえない楽音波も仲間に加えて、楽しく遊びながら、ゆらぎと快適性の追及につなげてゆきたいと考えています。

 

 以上「よい音の追及」と「よい音と遊ぶ」2つのキーワードを掲げてNHラボ第2年目を迎えることになりますが、集いの内容を考えますと、賛同して下さる音響愛好家の方々と単なる交友を超えたお付き合いをお願いしたり、研究の成果を共有していただけるプロセスを円滑、確実にするためにも、技術と経営の基盤をより強固にすることが必須と考え、株式会社に組織を変えて再出発することに致しました。何しろ計画にに未熟なものどもの集まりでございます。暖かいご支援とご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

2015年4月17日

NHラボ株式会社

代表取締役社長 


中島平太郎 経歴

1921(大正10年)福岡県久留米市に生まれる。

東京工業大学電気工学科卒業後、九州大学大学院にて音響学を学ぶ。

1947年10月 NHK入局。

1965年 技術研究所音響研究部長、68年 放送科学基礎研究所所長。

1971年 ソニー㈱に入社。常務取締役、技術研究所所長、音響事業部長、デジタルオーディオ部長などを歴任。

1983年 アイワ㈱に転じ社長に就任。

1989年 ㈱スタートラボを設立し社長に就任。

1993年 CD開発の功績により紫綬褒章を受章。

2006年 ビフレステック㈱会長に就任。

2015年4月 NHラボ株式会社を設立し社長に就任。

 

日本音響学会会長、DAT懇談会会長を経て、社団法人・日本オーディオ協会会長、オレンジフォーラム会長。

 

工学博士