2016年12月20日 青梅市 宮下清孝様より 「いろいろ楽しめるスピーカ」

 

 たまごスピーカとの出会いは約4年前の2012年1月11日のアムトランス本社での試聴会でした。
当日は評論家の石田先生の解説と中島先生、茶谷さんから開発の主旨と技術的特徴をうかがい、たまご形状へのこだわりに感心しました。

最初は、たまご形状の曲面振動板でスピーカとして満足のいく特性を出すのは技術的にかなり大変だったのではと思っていましたが、実際に音を聴くと音場感の良さは他に類を見ないもので、大変感動し即日購入しました。

 

その後、最適な音を目指して再生条件の調整やチューニングを繰り返して進化が続いていますので、その一部をここにご紹介します。


自分の仕事ではスピーカやオーディオ・ビジュアル機材の音確認、調整、及び録音ソースの判定を行っています。
タマゴスピーカは音の定位や前後感が大変分かりやすいのが特徴で、現状ではメインスピーカになって来ています。

鳴らし方のポイントとして、ニアーフィールドリスニングでの使い方を重視しています。

スピーカ間隔は1.2mでリスニングポイントは正三角形の頂点近辺が基本です。
リスニングポイントが両スピーカの中間点まで1m以内に近づくと、ソースによっては臨場感が大変良くなります。これはヘッドホンでのリスニングに近くなり、音量が上がり低音も量感が出ますのでパワーにも有利な使い方になります。


たまごスピーカは
指向特性がブロードで部屋の条件を受けにくいのも特徴で、どこに置いてもとても良く鳴ります。

スピーカは部屋の壁から2m以上離れて設置してあり、その周囲は機材が多く乱反射が起きていますが、ほとんど気になりません。


一般的に
スピーカの設置面の振動対策はとても重要で苦労するところです。タマゴスピーカを空中に吊るす方法は接地面の振動対策に大変効果的な方法で、吊るすことにより定位がより明確になります。
現状の試聴システムでは初代の吊りスタンドをウエルフロートリングのインシュレータで浮かせ、二重に振動防止対策を施しています。レイアウトの都合により左スピーカMac Proの上、右スピーカStuderオープンリールデッキの上に置いてありますが、振動の問題は全くありません。これは小型スピーカだからできることだと思います。


チューニングで重視しているのはスーパーツイータの追加です。これによりサラウンド感や定位感がさらに向上しますが、低音の量感が増し再生帯域がより下の周波数に広がるように聴こえることも大変重要な効果と考えています。


スーパーツイータは写真1、写真2のように2種類を使い分けています。

写真1 スタンドの下部にホーンツイータを置く方法。

      クロスオーバ周波数  35KHz -18dB/oct.

 

(ハイパスフィルタが18dB/oc.では低域を十分に遮断しきれず、聴感上ツイータから音が聞こえるため、やや明瞭度の高い音色になります。)

 

写真2 たまごスピーカに圧電型ユニットを円周方向ハチマキ状に14個パラ接続でつける方法。

 

クロスオーバのネットワークは不要です。
普通の
音源では20KHz以上の信号レベルは低いものが多いので、感度を上げるためにユニットは多めが好ましく、最低でも4個〜8個は欲しいところです。

ポイントは、ユニットからの音は聞こえませんが、接続を外すと全体の音が変わり動作確認ができることです。

写真3 NHラボNH-W1に圧電ユニットを取り付けた状態。 吊スタンドでも使う場合もあります。

図1.再生装置のブロックダイアグラム:

音にキャラクターが付かないように注意し、CDがベストの音で鳴るように選定・調整しています。
デジタル系ではDACが「かなめ」です。各機材は内部にノイズ対策を施し、配線材・コネクターも選び抜いたものに交換し、キャラクターを少なくしています。


写真4.再生装置の裏側配線状態:

ケーブルがジャングル状態(笑)になっています。右側はパワーアンプとAV関係機材グリーンの線は

Clock用で、銅パイプによるセミフレキシブル同軸ケーブル構造。ケーブルにより音が変わるので注意して

選択しています

写真5 電源アイソレーショントランス部:

200Vからステップダウンして、さらに各機材個別にアイソレーショントランスを入れて機材相互のノイズ流入を軽減しています。

たまごスピーカ本体でのチューニングで有効であったのは密閉キャビの空気抜きとフィルターの素子交換です。
ただし、
フィルターの素子は良いものを使うと高価になりCPが悪くなります
空気抜きは第13回NHラボセミナーで発表しています。


磁気回路の後ろに重りを付加することも検討しましたが、重りが大きくなるとキャビネットの内容積が減少し、逆効果になります。
磁気回路の低温化ユニットの装着は有効で、この程度の大きさなら容積への影響はあまり出ていないようです。


たまごスピーカの容積は「地球上に実在した卵の中で最も大きいものの容積に合わせて決めたもの」、と茶谷さんが説明されていますが、
スピーカユニットの動作上はもう少し大きい方が音や特性をまとめやすいように思われます。

今後の課題
1、天井から吊るして5chサラウンド再生、さらに9ch超立体サラウンド再生
  たまごスピーカの形状は部屋の景色にもマッチし吊るしても邪魔にならないところがデザイン上の特徴だと思います。


2、主にコンサートのSRスピーカとしてラインアレー配置でCh当たり4本から8本使い自然な音場感が出ることを期待しています。
   さらにラインアレーを家庭のリスニング用にすることも面白いと思われます。


まとめとしては、「
いろいろ楽しめること」がたまごスピーカの特徴と考えています。