第5回よい音チャット

 

「新春放談会」

 

2017111日(水) 13301530

場所 NHラボ㈱ 本社

 

中島代表 NHラボ㈱ 代表取締役

宮下清孝氏 ㈱JION

瓜生勝 NHラボ㈱ 取締役

高田(進行)NHラボ㈱

 

今回は特にテーマは決めませんでした。

 

以下、放談の抜粋をご紹介します。

:中島代表 :宮下氏 :瓜生取締役 )

 

.今日の新聞にSicの繊維という新素材が紹介されていたが、これは何ですか?

 

20年前に宇部興産と日本カーボンが作ったSic繊維をスピーカ材料として検討したころがある。東北大で開発された繊維で有機の炭化ケイ素を合成し、蒸し焼きするとSICの長い繊維ができる。耐熱性が高いことが特徴だった。アルミとカーボンを複合化するカーボンをアルミが侵食しもろくなる。しかしSicはそれがないので音響材料として研究しようとした。宇部興産にニカロンという商品があった。結果として音響材料としては炭素繊維に比べ特徴を出せなかった。

 

. 現在Sicは半導体で使われている。2年くらい前から実用化され、雑誌などで音が良いと紹介されている。

(事務局より ご参考: http://www.rohm.co.jp/web/japan/Sic_what1-j 

 

振動板の材料に関していえば、材料のヤング率が大きいこともさることながら、内部損失が大きくないと振動板共振点での耳障りな音がコントロールできない。ソフトドームが未だに振動板として使われていることを考えると振動板としてヤング率が高いだけが条件ではないといえる。振動板としては、硬さだけでは耳の感性に合わないのではと思う。

 

.スピーカの振動板、エッジ、支持系、そしてそれを固定するものを考えるうえでバイオリンを勉強しているが、楽器はスピーカと違って、必ず人間が入る(持つ、弾く、触るの意味で)。その人間の体は楽器を支持する材料としては考えると一番難しい。スピーカでも支持部エッジの扱いが難しいのと同じだと思う。人間の体を勉強するときには、骨や皮膚ほかの複合体として考慮することが必要のようだ。

 

. たまごスピーカで振動板に塗っている塗料は皮膚の物理特性に似ている。

 

.部屋の音響特性の調整も人の体に似ている。部屋に吸音材だけ入れてもだめで、それに芯をいれて音を拡散させる必要がある。

 

. カーボンフェルトにやわらかい含侵材を併用し、カーボン繊維のがさつきを抑えると音響的に良好。ただしカーボンに導電性があり取扱いに注意が必要。(スピー内部配線に触るとショートするなど)

一方、バイオセルロースをフリーズドドライすることで硬い綿ができる。それをプレスして振動板に加工したところ、ヤング率と内部損失がともに大きい振動板が得られた。

バイオセルロース振動板を使ったソニーのヘッドホンMDR-R10(発売1989年)があったが、定価36万円と高価だった。今プレミアムがついて数十万円の高額で取引されている。現在はヘッドホンブームで450万円のヘッドホンでも驚かれない。そういう商品にはバイオセルロースのようなコストガ高い振動板でも使える。

 

.ヘッドホンは音場の影響が入らない。

 

.たまごスピーカを手に持って耳元に近づけると、あるポイントで音量感や低音感がでてくる。ヘッドホンとまた違う楽しみ方ができる。ヘッドホンは頭を回すと音も一緒についてくることが不自然。聞いているうちに慣れてはくるが、やはり疲れる。

 

.たまごスピーカを基本に返って見直してみてはどうか? 振動板を検討するには、振動しないキャビネットを用意する必要があるのではないか? 

 

. 振動板の形状をたまご形状にこだわったところが特徴と思う。ただし、たまごスピーカは密閉箱なので中の空気を抜かないと振動板が動きづらい。JBLパラゴンも密閉型だが、穴をあけると中低域が充実した。音楽信号は低域まで入っているがスピーカがその低音を再生できず具合悪い。パイプを使って空気を抜く方法やB&Wのノーチラスのような方法が考えられる。

また、たまごスピーカの高域(8KHzあたり)には独特のキャラクターを感じる。損失をあげれば取れるのでは?

 

8KHz以上で損失が増える物質を塗っている。

 

M.もっと低い周波数でも損失を増やしたらいいのでは。また、振動板材料としてバイオセルロースをもっと追及してみてはどうか?

 

.宮下さんのお勤めのJIONはどのような仕事を?

 

.ホール、学校、お寺などの設備音響設計とそこで使う特殊スピーカの設計や製造など。

スピーカ設計では、将来のメンテナンスを考えると、特殊な試作品は使えない。その意味でフォステクスの商品は継続性(連続性)があるので使いやすい。

 

.テレビを1.52m位離れて見るとき、セリフ音などが聞き取りにくい。これを改善したい。スピーカを自分の近くに置くような方法を考えたい。たまごスピーカを手元(耳元)で聴けるような仕組みがほしい。

 

.最近、「いやし」と銘打った音楽ソフトがネット上に数多く見受けられる。音のくせのないたまごスピーカを使ったり、ワイン熟成用にも紹介しているソムリなどをインテリアスピーカとして使い、「いやし」の音楽ソフトを聴くことを提案するのはどうだろうか?

 

. 今日印象に残る話題として、ニアフィールド再生。特にテレビの音のニアフィールド再生に興味を持った。

 

以上